原点回帰か、一過性か オレオレ詐欺の被害額急増 再び特殊詐欺の主役に?(産経新聞)
2024年8月3日
様々な嘘で人を騙し、お金を振り込ませる「特殊詐欺」。
そのなかで、被害者の息子や孫などに成りすましてお金を振り込ませる手法を、
名前を名乗らず「オレオレ」と呼び掛けたりすることから「オレオレ詐欺」と呼びます。
オレオレ詐欺は2003年頃に爆増し、ここから特殊詐欺が始まった、とも言うべき古典的な詐欺。
その古典的な詐欺が、今年(2024年)は相対的にかなり増えたというのがこの記事です。
近年は様々な登場人物が緻密なシナリオのもと「劇場型」で詐欺を行う犯罪組織も増えていましたが、
ここに来ての古典的な犯行による被害が再度増えています。
ただ被害額は半数近くですが件数としては3分の1以下ということで、1件あたりの被害額が多いようです。
もう既に「オレオレ詐欺」が流行り始めて20年経つので警戒が薄れている人も増えていること、
また古典的な詐欺にも騙されてしまうほど警戒心が薄い人は被害額が大きくなることなど、
複合的な要因による現象でしょう。
いずれにしても、今また古典的「オレオレ詐欺」が流行っていることをしっかり認識して、
ご自身はもちろん、ご家族や友人知人など特に固定電話があるご高齢の方がいる場合は、
情報共有・注意喚起してあげてください。
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原点回帰か、一過性か オレオレ詐欺の被害額急増 再び特殊詐欺の主役に?
社会問題化して久しい特殊詐欺のうち、古典的な「オレオレ詐欺」が今年1~5月で1689件発生し、被害総額は85億円と前年同時期(48億5千万円)から75・2%プラスの大幅増となったことが、警察庁の統計で分かった。発生件数自体は伸びておらず、1件当たりの被害額が高額化しており、警察当局は警戒を強めている。
■全体の半数近くに
電話で息子などを装い「おれ、おれ」と呼びかけるオレオレ詐欺は平成15年以降、発生が目立ち始め、金融機関の口座にカネを振り込ませる手口から、16年からは「振り込め詐欺」と呼ばれるようになった。
同年には1万4874件発生し、被害総額は191億2千万円。最も多かったのが「車で人をはねてしまった」とする交通事故(業務上過失傷害事件など)の示談金名目で約6割を占めていた。
その後、公的機関の職員を装い「還付金があります」と言ってATMを操作させ現金を振り込ませたり、役割を決めて代わる代わる架空の投資話を持ちかけるなど、だましの「口上」が多様化。23年からは一連の犯罪を一括し「特殊詐欺」と呼ぶようになった。
警察庁によると、今年1~5月に7389件発生した特殊詐欺の被害総額は185億1千万円。このうち半数近くをオレオレ詐欺が占めた。また昨年、都内で発生した特殊詐欺2918件のうち、オレオレ詐欺は819件と最多だった。
■示談金はなり潜め
平成26年には5557件発生し174億千9万円の被害が出たオレオレ詐欺は、令和に入り徐々に減少傾向にあった。
元年の被害総額は117億6千万円(発生6725件)だったが、2年は67億9千万円(2272件)、3年は90億6千万円(3085件)と久々に100億円を割り込んだ。その後はやや増加し、5年は133億4千万円(3955件)となっていた。
警察庁によると、令和に入ってから最も多い手口は「会社の小切手が入ったかばんを置き忘れた」などと噓をつく損失補塡(ほてん)金名目。かつて主流だった示談金名目は昨年は25件、今年1~5月では8件と、なりを潜めている。
■授受も振込型に?
オレオレ詐欺といえば、現金受け取り役の「受け子」や電話をかける「架け子」を闇バイトで募り、トカゲの尻尾切りのように使い捨てにするのが定番だ。
未成年が軽い気持ちで荷担することも多く、警察幹部は「近年は少年少女の啓発に重点を置いた対策が効果をあげている」とする。
ただ最近は、交流サイト(SNS)を使ったロマンス詐欺など「非対面式」の詐欺が急増。こうした流れを受けてか、オレオレ詐欺も、受け子が直接受け取る「現金手交型」が影を潜め、昔ながらの「振込型」が今年に入り増えているという。
警察庁幹部は「詐欺グループの原点回帰か一過性のものかは現在、分析中」とした上で「原因は謎だが、金銭的被害の拡大に焦点を絞った対策が必要だ」と話す。
警視庁OBは「投資など、もうけ話でだます詐欺が確実に増える中、親の愛情に訴える卑劣な犯行も中々、なくならない。オレオレ詐欺や振り込め詐欺は完全に〝死語〟にしなければならない」と指摘している。
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記事リンク(引用元・画像あり)はこちら→https://www.iza.ne.jp/article/20240802-LGREIGBATNLXPKZNPMZD7JJAZ4/
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