【特殊詐欺・独自情報】SNSで「お金あげます」口座教えたら逮捕?!その仰天の仕組みとは

 2022年9月20日
Twitter上で、とあるツイートが話題になっています。

9月19日13時のツイートですが、およそ半日のうちに6万リツイートと9万いいねされており、
既に目にした方も多いのではないでしょうか。

内容は、知人の息子がSNSで2万円「当選」したので、
振込先として口座番号を教えたら、なぜか200万円振り込まれて、
誤送金したので持って来てくれればお礼として10万円あげますと言われ、
言われた通りにしたら、後に特殊詐欺の出し子として逮捕された、というもの。
※元ツイートでは「受け子」になっていますが、恐らくいわゆる「出し子」だと思われます

一見どうしてこうなるのか分かりませんが、恐らく以下のような経緯によるものだと思われます。
①特殊詐欺グループが素性を偽ってアカウントを作る(アカウントXとします)
②アカウントXが「リツイートした人から抽選でお金(2万円)を配る」とツイートする
③知人の息子(Aさんとします)がリツイートする
④「Aさんが当選しました、振込先を教えてください」とXから連絡
⑤Aさんが振込先を教える
⑥Xを運営している特殊詐欺グループが詐欺をはたらき、被害者に200万円振り込ませる、その際の振込先をAさんの口座にする
⑦XからAさんに「2万円のはずが誤って200万円送金してしまいました、送金取消の手続きは手間も時間も掛かるので、もし〇〇駅まで持って来てくだされば手数料として合計10万円差し上げます」と連絡
⑧10万円くれるならば、と200万円引き出して指定の場所に持参する
⑨10万円もらい、差し引き190万円をXを名乗る相手に手渡す

Aさんは、リツイートするだけで2万円もらえると喜んでいましたが、
誤送金したお金を指定場所に持参するだけで10万円ももらえて、さらに大喜び。
しかし特殊詐欺の被害者が届け出て警察が捜査すると、振込先の名前の人物が銀行で出金し、
その人物が電車で移動して、誰か別の人にお金を手渡したことが分かります。
こうなると、銀行と駅の防犯カメラの映像から、
Aさんが特殊詐欺の口座名義人並びに「出し子」として特定されるのは時間の問題です。

Aさん本人は犯罪に関与した自覚は全くなかったとしても、
「お金をおろして渡すだけで10万円の報酬は常識的にあり得ない、最初から出し子として働く約束だっただろう」
と言われれば、反論は難しくなります。
知らない人から200万円振り込まれて、「警察や銀行へ届け出ず、いきなり引き出して知らない人に渡す」
という行動自体が、まさに「出し子」そのもの。
上記①~⑨のやり取りを見せて反論するしかありませんが、
これも最初から「出し子」が見付かった場合に言い逃れるための作為で作られたもの、
というのを否定する証拠はありません。

SNS上で毎日何百件と見掛ける「タダでお金配り」。
仮に当選しなくてもノーリスク、当選すればまさにノーリスクハイリターン!と思う人がほとんどでしょうが、
お金配りアカウントのなかには、悪質業者や詐欺グループが相当数含まれると思われます。
後になって考えると、上の例のAさんも普段のツイートから住所をだいたい把握されて、
お金を手持ちで持って来る範囲だと決め打ちで狙われていたのでしょう。

銀行での本人確認が厳しくなり、
詐欺で振り込ませるための口座を「作る」のが難しくなっている昨今、
あなたの口座も詐欺グループに狙われているのです。
個人情報を収集されることに「ノーリスク」はあり得ないとしっかり認識しておかないと、
痛い目に遭うかもしれません。くれぐれもご注意を。